いちcafe日記

一日、いちcafe。大好きな毎日のカフェタイムに思うこと、学び得たこと、実践したことを綴っています。

華麗な盆栽さつき@さつきまつりin牧野植物園

先月、安芸市の内原野公園にツツジを見に行ってきましたが。↓

 

今回は、 ツツジに似た見た目の「さつき」の盆栽を見に行ってきました。

 

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牧野植物園の「さつきまつり」の華麗な盆栽さつき

牧野植物園の「さつきまつり」

高知市五台山にある、県立の植物園「牧野植物園」。

 

こちらの本館で4日間だけ開催されていた「さつきまつり」。

 

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2021年で第44回なので、なかなか歴史ありますね。 

主催は、牧野植物園と、高知県さつき愛好会(っていうのがあるんですね)。

 

毎年恒例の「さつきまつり」では、愛好会の会員の方々が育てたさつき盆栽を約60鉢展示していて。

 

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それはそれは見事な、丹精込めてお手入れされた、色とりどりで品種もさまざまな、さつき盆栽の銘品が、数々と展示されていました。

 

さつきという植物について

さつきの起源

さつきの起源は、サツキとマルバサツキの2種の野生種と、その種間雑種から選抜されたものと言われているそう。

 

で、この2種の野生種は、花色や葉形、おしべなどが異なる形質を持っているので、変異の幅が広いのだそう。

また突然変異や枝変わりからも選抜されていくので、たくさんの品種が生まれたんですって。

 

「さつき」という名前の由来

江戸時代までは、さつきはつつじと同様の扱われ方だったんですが。

江戸初期に新しい品種が現れはじめて、以降多くの園芸品種が出てくるようになり。

さつきの開花期が陰暦の5月だったことから、他と区別して「皐月(さつき)」と呼ばれるようになったんですって。

 

さつき栽培の歴史

江戸時代までは、さつきは武家屋敷の庭にだけみられる「庭木」として鑑賞されていたそう。

 

ところが、江戸時代以降は、花や姿の優れた品種のさつきを鉢に上げ、座敷に飾って鑑賞するようになったんですって。

気品あるさつきの姿に、早くから鉢鑑賞として価値を見出され、盆栽として流行したのだそう。

 

文化文政時代になると、生活に窮する下級武士が、内職としてさつきを購入・販売して、町人と交流していくうちに、さつきは庶民の間にも広がって、さらに大流行となったそう。

 

ところが、その後は明治維新の武士階級の崩壊で、観賞用としてのさつき栽培も大きく衰退したんですって。

それでも、明治後期には、再び栽培する人も出てきて。

愛好家が集まって「皐月会」も結成されて、これを機にまた大流行。

 

戦後は、世の中が安定すると、宇都宮と鹿沼地方を本場としてさつき栽培が発展。

次々と新たな品種が作出されながら、現在に至っているそうです。

 

さつき盆栽

さつき盆栽は、誰でも仕立てやすくて、花も美しく咲くので、江戸時代には武家階級から庶民まで人気が高かったそう。

 

やがて、さつき盆栽は独自の世界を作って、独特な鑑賞法も生み出され、多くの愛好家を育てています。

 

※出典:第44回さつきまつり

 

さつきの鑑賞ポイント

さつきの鑑賞ポイントを知っておくと、いろんな作品の工夫が見えてきて楽しくなります。

 

さつき盆栽の4つの鑑賞ポイント

花形:さつき鑑賞の最大の楽しみ!

花色:実に色んな色の着き方があります

花の大きさ:4つのサイズがあります

樹形:幹の姿を盆栽に仕立てる工夫がポイント

 

鑑賞ポイント①:花形

さつきの花の形は多彩。

培養中のひと枝から、突然変わった花が咲き出したり。

自然交配した種から、珍しい花が咲くことも。 

 

こちらでは、5種類の花形が紹介されていました。

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こちらが桔梗咲。

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つつじと区別がつきにくい、オーソドックスな形。

 

こちらは八重咲き」だと思う)。

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そして、こちらは如弁咲。

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こちら、剣弁咲。

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こちら、采咲。

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これは、レア!

 

あとこれ。

個人的に、バラっぽく見えるさつき。

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鑑賞ポイント②:花色

さつきの地の花色は、赤・白・紫。

色の着き方は、単色、グラデーション、バイカラーのようにパッキリ色が分かれて部分的に着くもの。

なんだか、粋な色の着き方なんですよね。

 

こちらでは、8種類の花色のパターンが紹介されていました。

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こちら、単色。

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美しい純白!

 

こちらは、底白。

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こちら、大絞り。

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他の種類のは、今回の展示では見られなかったかな。

 

花色は、花一つの中の色付きの種類ですけど。

ひと鉢の中で色違いの花たちが混ざってるのも楽しい。

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鑑賞ポイント③:花の大きさ

時代の移り変わりによって、大きさの区別の仕方って変わったんですって。

 

現在、さつきの花の大きさは4段階に分けられています。

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鑑賞ポイント④:樹形

さつきの株立(幹の数が3本以上に分かれてある樹形)になりやすい性質を持っているらしいのですが。

これを栽培管理によって、1本立ちにしたり、幹模様をつけて盆栽に仕立てようとする工夫が楽しいポイントらしいです。

 

こちらでは、4種類の樹形のパターンが紹介されていました。

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これ、直幹。

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ちょっと左に傾いてるけど、幹がまっすぐ伸びて、ご立派。

 

これ、石付け?

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これ、根上り?

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これは多分、模様木。

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こうやって、分類に照らし合わせながら、観ていくのも楽しいですね。(^ ^)

 

※出典:第44回さつきまつり

 

「さつき」と「つつじ」の違い

ちなみに、なんですが。

さつきとつつじって、お花の形とか一緒に見えて、違いがよく分からないので、調べてみたら。↓

 

つつじ:花弁や葉が大きく、開花時期も早め

さつき:花や葉は小ぶり、つつじの後に咲き始める

 

小ぶりなさつきは盆栽に向いてるってことでしょうか。

 

この鑑賞ポイントを知ると、結構じっくり盆栽を眺めちゃったりして、割と長い時間楽しめます。

 

ということで、牧野植物園で毎年開催されている「さつきまつり」でした。(´ー`)

 

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