アフリカ・中南米・東南アジアの麗しき蘭たち ー旅するラン展@牧野植物園ー
毎年恒例、2月に開催される、牧野植物園のラン展に行ってきました。
今回のラン展をショートムービーでご紹介。↓
牧野植物園のラン展
牧野植物園
牧野植物園は、高知の有名&人気の観光スポット。
高知出身の「植物分類学の父」と称される牧野富太郎博士を称えて作られた植物園です。
詳しくはこちら。↓
園内のご案内| 高知県立牧野植物園 THE KOCHI PREFECTURAL MAKINO BOTANICAL GARDEN
牧野植物園は、高知市の五台山という小高い山にある、約8ヘクタールの広い敷地です。
園内マップはこんな感じ。↓
園内マップ| 高知県立牧野植物園 THE KOCHI PREFECTURAL MAKINO BOTANICAL GARDEN
自然たっぷりの広い敷地に3000種類もの野生植物などが育っていて、散策や鑑賞、学生たちの遠足にも利用されています。
県内外からの観光客もとても多く、人気の植物園です。(^ ^)
牧野植物園のホームページはこちら。↓
高知県立牧野植物園 THE KOCHI PREFECTURAL MAKINO BOTANICAL GARDEN
牧野植物園の「ラン展」
毎年2月に、この牧野植物園の温室内で展示されるのが「ラン展」です。
この温室の展示、ワイルドなジャングルのような雰囲気で、毎回、ワクワクしてしまうんですよね。(^ ^)
2021年、15回目となるラン展のタイトルは「旅するラン展」。
「アフリカ・東南アジア・中南米のランを、旅気分で見ていこう」って感じのコンセプトでしょうか。(^。^)
こちら、今回のラン展の温室内のマップ。
温室内は、大きく分けて、エントランス、アフリカエリア、アーチエリア、東南アジアエリア、中央ウッドデッキエリア、中南米エリア、ハス池エリアに分かれています。
それぞれのエリアごとに、今回のラン展を紹介してみます。(^ ^)
※エリアの名前は、一部、私が勝手に名付けたものです。^^;
エリア毎に様々なランをご紹介
エントランス
まずは入り口。
自動ドアをくぐると、目の前にドーンとランのゲートが広がります。
もうこのエントランスのゲートで幸せな気分になります。(´ー`)
両サイドは、小ぶりのランの花、そして中央に華やかなランで飾られたゲートが。
とっても幻想的で、「ここは天国か!」って思います。
アフリカエリア
エントランスのゲートをくぐると、アフリカエリアに。
蘭の種類って、アフリカだけでも3000種以上あるんですって。
マダガスカルのラン「アングレクム・セスキペダレ」
その中で、アフリカのランといえばこれ!っていうのが、「アングレカム・セスキペダレ」というランらしく。
アングレクム属は、熱帯アフリカとマダガスカルやその周辺の島に分布していて、約220種類あるんですって。
アングレクムぞくの中で、上の写真の「アングレクム・セスキペダレ」というランは、マダガスカル島にあるランで、花の後ろに茎のように見える「距(きょ)」という長い管があるのが特徴です。
この「距」というのは蜜が入っている管なんですって。
で、こんな細長い管に入ってる蜜を吸える蛾が唯一いまして。
「キサントパンスズメガ」というんだそうです。
こちらでチェック。↓
それが上の参考写真の赤いやつです。
よーく見ると、触角みたいなのがビョーンと伸びてるじゃないですか。
それが、蛾の口先らしいんですよ。
このランは、蛾が活動する夜にだけ香りを放って、この蛾を呼び寄せてるんですって。
で、この蛾がこのランの花粉を持って動くことで、このランは繁殖できているらしく。
このランと蛾は、共生しながら存続してきたんですって。
このランは、あの進化論のダーウィンによって知られるようになったため、「ダーウィンのラン」とも呼ばれています。
ディサ属のラン
アフリカのランとして次に紹介されていたのが、アフリカの中部から南部、マダガスカルなどに分布する、「ディサ属」のラン。
お花の3枚のがく片が大きく目立っているのが特徴です。
コブラオーキッド
アフリカのランとして3つ目に紹介されていたのが、こちら!↓
この写真、「どこにランの花があるの?」って感じなんですけど。
左側に二本、茶色いのがすーっと伸びてるのが、実はランなんです!
赤道近くの地域に分布する「ブルボフィルム・プルプレオラキス」 というランで。
このブルボフィルム属のランは、世界中に1000種以上もあるらしい!
その中でも、「メガクリニウム節」というグループがあって。
扁平な花茎がコブラに似てるので、「コブラオーキッド」と呼ばれてるんですって。
こちらは、アフリカ中部から西部にいて、苔むした樹上や岩の上で自生しているそう。
蛇皮蘭(じゃびらん)
さらにこちらの植物。これもランの仲間。↓
この植物、枯れているのではありません。
れっきとした「オエケオクラデス・スパツリフェラ」という名のランなんです。
この枯れたような模様は、草食動物に食べられないように枯れ葉に似せていると考えられていて、ヘビの模様にも似てるから「蛇皮蘭」とも呼ばれているんですって。
このオエケオクラデス属のランも、マダガスカルを中心にアフリカ中部以南などに約40種類いるんだそう。
さすがアフリカ、なかなかワイルドな姿のランたちがいます。(^。^)
アーチエリア
アフリカエリアと東南アジアをつなぐ、ランのアーチがありまして。
これがまたとっても美しくて素敵!
このカラフルなランの花で埋め尽くされたテーブル?が本当に鮮やかでキレイ!(^^)
まるでウェディング会場みたいに華やかです。
東南アジアエリア
アーチをくぐった先に東南アジアのランたちが展示されているエリアが広がっています。
東南アジアには、熱帯地域を中心に、6800種類以上のラン科植物が生息しているそう。
デンドロビウム属・シンビディウム属・ファレノプシス属・パフィオペルディルム属・バルボフィルム属など、多彩なランがいます。
東南アジアのランは、こんな感じでよく見る園芸品種のようなランも展示されていますが、
「これもランなんだ〜」っていう、珍しい形のランも見られるのが楽しいです。
それにしてもこのジャングル感、大好きです。(´ー`)
中庭エリア
続いてやってきたのは、中庭のエリア。
昨年は、この中庭にカフェテーブルが設置されていて、このジャングルのような空間でランに囲まれてカフェが楽しめたんですよね。
今年は、高知県内で生産されているランが紹介されていました。
高知は南国ですから、亜熱帯性のラン科の植物は育てやすいんでしょうね。
贈答用の園芸品種なので、見た目もとても華やかですよね。
高知では色んな種類の洋ランが生産されていて、特にシンビジウムの生産が一番多いみたいです。
贈答用として東京や大阪など大都市にも出荷されています。
中南米エリア
華々しい姿のランを堪能した後は、中南米エリアに。
中南米でも、ランの種類は8000種類以上!
熱帯から温帯の地域にかけて、カトレア属・オンシジウム属・マスデバリア属・エピデンドルム属などのラン科植物が、多種多様に生息しています。
にしても、この展示のワイルド感には本当に感心します。(^ ^)
ランは地上だけでなく、樹上や岩など、色んな環境で自生しています。
その自然な佇まいに近づけているこの展示のワイルドさが好きです。(^ ^)
ハス池エリア
最後に、ハス池があるエリアに。
こちらには、「オオオニバス」という、小さな子供が乗れるぐらい大きいハスの葉が常設されていて、この温室の目玉でもあります。
旅の最後に
ということで、ランに囲まれたこのオオオニバスを見納めて、今回の「旅するラン展」は終了。
出口にはショップもあって、ランの鉢植えを購入できます。
今年は、新型コロナの影響で人数制限があったり温室内での一方通行があったりで、行ったり来たりして見ることができなかったのですが。
私は、いつも大規模な展示は3周して見るクセがあるので、出口を出るとまた入り口に戻り、再び旅に出かけました。笑
今回のラン展は、世界の各地域を象徴するするようなオブジェとか、景色の写真が所々に飾られてあって、雰囲気のある展示になってました。(^ ^)
ちなみに、こちら2020年の第14回ラン展。↓
日本では絶対見ることのできない、ワイルドでマニアックな見た目の種類が多かったです。
ラン展特別スイーツ
世界のランをめぐる旅を2周終えて、 カフェでひと息。
牧野植物園内にあるカフェ「アルブル」へ。
ちょっとしたスイーツもいただけるカフェです。
ラン展開催中は、ラン科植物のバニラを使った特別スイーツがあるとのことで。
私はバニラはあまり好きではないけれど(^ ^;)、せっかくなので頼んでみました。
バニラのババロア?だったかな。
すごくあっさりしていたので、美味しくいただけました。(^ ^)
テーブルにはラン科のお花が飾ってあって。
お花や外の自然の景色を眺めながら、そしてこのスイーツで、しっかり癒されました。(´ー`)
今回のラン展も見応えたっぷりで楽しかったです!
牧野植物園のラン展は、私にとって2月の恒例行事になりそうです。
kayoko@モスcafe
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