牧野植物園のラン展、行ってきました。
牧野植物園の「第14回 ラン展『パフィオペディルム』」に行ってきました。
ランといえば、お祝いの時なんかに贈る、あの華々しくゴージャスなお花(カトレヤ属)をイメージするんですが。
今年のラン展の主人公は「パフィオペディルム属」という妖艶なタイプの方。
一般の流通が少なく、日常生活ではなかなかお目にかかれない品種たちが勢揃いしていそうだったので、楽しみにして行きました。
↑ファンタジックなラン展の入り口
牧野植物園の見事な空間づくりのラン展
ラン展は牧野植物園の温室内に展示されています。
展示といっても、このジャングル感。緑豊かな景観です。↓
美しく華やかなカトレヤ属のお花と、今回の主人公であるパフィオペディルム属のランがいいバランスで散りばめられて展示されていて、どこを見ても飽きない素敵な空間でした。
しかも、この温室内にランカフェ?まであって、ちょっとひと休憩できたりします。
妖艶なラン、パフィオペディルム属のランの生態
学名の由来
パフィオペディルムという学名の属名にある「ペディルム」は、ギリシャ語で「スリッパ」を意味するpedilonからきているそう。
このスリッパとは、ランの花部分にあるカップ状の形をした「リップ(唇弁)」のことのようです。
このリップがあるタイプが、妖艶なタイプのパフィオペディルム属のラン。
パフィオペディルム属ランは食虫植物?
このリップの形、あの食虫植物のウツボカズラに似てませんか?
私も「このタイプのランって、まさか虫食べるタイプ?」って思ったんですが、実はそうではなくて。
ウツボカズラは袋(捕食嚢)の中に消化液が入っていて、その袋の中に入り込んでしまった虫がその消化液に溶かされて、それがウツボカズラの栄養になるのですが。
パフィオペディルム属のランのリップには、消化液などはなく、リップの中に入り込んだ昆虫は、花粉のある部位まで誘導されるようになっていて、昆虫が花粉を付けて飛び出していくようになっているらしいです。
つまり、昆虫による受粉を促すための構造になっているんですね。
パフィオペディルム属ランの生育場所
パフィオペディルム属のランは、東南アジアが主な生育地域。
このラン展には、イランイランの木や沙羅双樹、インド菩提樹など、東南アジアに生育しているその他の樹木も展示されてました。
このパフィオペディルム属のランは、林床や石灰岩地に自生したり、樹木に着生したりと、海岸近くから山岳地帯まで、けっこう色んな生育環境でワイルドに生育しているようです。
このラン展では、こうした原種タイプのランから、園芸用に品種改良されたものまで、色んなランを鑑賞することができました。
毎年この時期に行われてるラン展。来年のラン展も楽しみですね。(^ ^)
牧野植物園のホームページはこちら。↓
今回のラン展をショートムービーでご紹介。↓
kayoko@Subway cafe