北川村のモネの庭に行ってきました
残暑も和らいできた9月下旬。
お出かけもしやすくなってきたので、高知県の東部・北川村にある「モネの庭」に行ってみました。
開園20周年を迎えた2020年、やっと「モネの庭」を訪れることができました。
モネの庭は、モネのアートも鑑賞できる、なかなか見応えのある庭園です。(^ ^)
四国八十八景にも選定されていて、色々と見どころのある「モネの庭」について、ご紹介します。
「北川村モネの庭マルモッタン」って?
高知市から車で東へ約1時間半、安芸郡の北川村。
この北川村に、「北川村 モネの庭 マルモッタン」という名称の庭園があります。
このモネの庭は、有名なフランスの画家、クロード・モネが自作したお庭をモデルに作られました。
「モネの庭」は、モネの絵画がリアルになったような空間
印象派の画家として有名なクロード・モネ。
「モネの庭」は、モネの有名な作品「睡蓮」の世界を、実際に体験できるような場所です。
また、「光の画家」と呼ばれているモネの「光と色彩」の感覚も体験できます。
私は、秋晴れの日にモネの庭を訪れたんですが、庭園での木漏れ日が本当に心地よくて、美しかった…。(´ー`)
私は、今回は特に予備知識もなくモネの庭を訪れてしまったたんですが。
事前にモネの庭について知っておくともっと楽しめそう!というポイントを、以下にご紹介しておきたいと思います。
「モネの庭」は、モネが自作したフランスにある「ジヴェルニーの庭」がモデル
北川村のモネの庭は、フランス北部の「ジヴェルニーの庭」がモデルになっています。
「ジヴェルニー」は、ノルマンディー地方の小さな町だそうで、クロード・モネが43才の時に移り住んだ場所。
このジヴェルニーの田園風景の美しさに魅せられて、モネは移住までして、さらにここに自分の理想の家とお庭を作ったんですって。
そのお庭が「ジヴェルニーの庭」と呼ばれています。
ちなみに、こちらが「ジヴェルニーの庭」の公式ホームページ(クロード・モネ財団)。
↓
「ジヴェルニーの庭」はモネの理想郷
モネは、ジヴェルニーに移住後はずっと、この場所で庭づくりとアートの創作活動をしたそうで。
このジヴェルニーの庭の風景から、名作の「睡蓮」などが生み出されています。
なので、ジヴェルニーの庭は、モネにとって創作活動の源泉のような存在だったようです。
また、モネにとっての庭づくりは、キャンバスに色を重ねて絵画を創っていくことと同じだったようで。
お庭がキャンバスって、壮大なスケール。(^ ^)
モネの印象派の感性がそのお庭に映し出されていって、ジヴェルニーの庭自体がアート作品になっていって。
その庭をモデルに作られた北川村の「モネの庭」も、モネの作品の世界がリアルに再現されているようです。(^ ^)
モネの画家としての人生をざっくり理解
印象派の画家
クロード・モネは美術史界では「印象派の巨匠」と言われています。
ちなみに、印象派というのは、「印象・日の出」というモネ自身の作品からきています。
モネは、少年時代に片田舎の恵まれた自然の中で過ごしたこともあり、風景画への情熱がもともとあったみたいで。
自然を愛したモネは、人生の後半をジヴェルニーという田園風景の美しい土地で暮らしながら、印象派としての道も極めていったようです。
浮世絵の影響
こうした印象派の画家として活躍した一方で、モネは日本の浮世絵の色使いや構図に影響を受けていたことでも有名です。
しかも浮世絵コレクターでもあって。
さらにコレクションだけでなく、モネの家のインテリアは、浮世絵の色使いに合わせてデザインされたそう。
浮世絵に影響を受けた鮮やかな青を多用したデザインは、実は北川村モネの庭でも楽しめます。
私がまず見つけたのは、カフェで使われている食器。
色鮮やかなイエローにブルーの縁取りのデザイン。
これ実は、モネが来賓用にあしらえた食器のデザインを再現しているみたいで。
そしてもう一つ、それはトイレのデザイン。
北川村のモネの庭の駐車場にあるトイレのデザインが、モネのジヴェルニーの家の内装のものから来ているんじゃないかと思うんですけど、とにかくオリエンタルかわいい!(^ ^)
意外なところで、モネの浮世絵からの影響によるデザインを感じ取ることができるのも楽しいです。
密かに感動的な「モネの庭」誕生ヒストリー
モネの庭を訪れた後で、この記事を書こうと思って改めて北川村モネの庭のホームページを見ていくと。
意外と感慨深かったのが、北川村が「モネの庭」をつくるに至った経緯でした。
「北川村モネの庭」は2000年に開園したんですけど。
1990年代、北川村は、工業団地誘致による村おこしを考えていたらしくて。
でもそこからいろんな事情で方向転換をして、北川村が日本屈指の柚子(ゆず)の産地であることから、「ゆずのワイナリー」づくりをめざそうとしたんですって。
そこから、またまた色んな事情で、「北川村の地域の観光文化の拠点づくりとしてフラワーガーデンをつくる」ってことに舵を切って。
「自然の中に庭園をつくる」というこのコンセプトから、ゆずワイナリーの構想からの流れなのか、「ワインの里・フランスに、ジヴェルニーの庭ってのがあるらしい」という発想になったようで。
ここで、「モネの庭」構想の原型が生まれたみたいです。
で、何だか感動的なのが、その後の北川村の行動です。
何のツテもないのに、担当者をジヴェルニーに派遣して、本家「モネの庭」の責任者を訪れたんだけど、なんと面会叶わず。
でも、モネの庭の造園に向けての熱意は失わなかった北川村。
その翌年、クロード・モネ財団の理事長から「協力するよ」って言ってもらって。
そこで大きな勇気をもらった北川村は、その後、本家「モネの庭」の責任者やオルセー美術館の学芸員さんとの交流を始めることができて。
やがて、本家「モネの庭」の責任者の方が北川村に来られて現場の指揮監督したりと、クロード・モネ財団の指導の元に、北川村モネの庭が実際に形作られていったようです。
そして、開園の前年には、北川村の村長さんがフランスへ赴き。
フランスの美術団体であるアカデミー・デ・ボザール(芸術アカデミー)の偉い人から、
“Jardin de Monet Marmottan au Village de Kitagawa“
(和訳名:北川村「モネの庭」マルモッタン)
と名乗ってもいいよ、と許可を頂けたのだそうです。
そして遂に、2000年に、北川村モネの庭が開園となりました。ヽ(´▽`)/
北川村モネの庭の誕生について、詳しく&正確には「北川村モネの庭」公式ホームページのこちら。↓
北川村のモネの庭って、なかなかの広い敷地ですし、植物やお庭のお世話も本当に大変だと思うんです。
そんな大きな規模の造園を、実際に作り上げてしまった訳で。
開園に向けての関係者の方がたの熱量や苦労を想像すると、なんかもう、感動してしまったんですよね、私。(T^T)
そんな経緯も踏まえて、実際に北川村のモネの庭に訪れてみると、より感慨深く楽しめるんじゃないかなと思います。
「北川村モネの庭マルモッタン」の見どころ・楽しみ方
北川村のモネの庭の見どころは、「水の庭」「モルディゲラの庭」「花の庭」の3つのお庭ゾーン。
カフェやショップなどもあるので、散歩しながら休憩も取りながら、ゆったり半日ぐらいかけて楽しむのがおすすめです。(^ ^)
メインは3つのお庭!
まずは、以下の3つのお庭の散策をゆったり楽しむのがおすすめ。
モネの憧れの「青い睡蓮」が見どころ!「水の庭」
まずはぜひ「水の庭」へ。
このエリアは、クロード・モネが描いた名作「睡蓮」の風景のモデルとなった、池のあるお庭ゾーンになります。
このお庭には、太鼓橋や藤棚、柳や竹、桜といった、日本の風景が溶け込んでいて。
モネが浮世絵に影響を受けて作ったジヴェルニーの庭に似せて作られています。
この池に咲く睡蓮は、本家ジヴェルニーの「モネの庭」から株分けされたものだそう。
4月下旬から10月下旬までお花が見られます。
また、6月下旬から10月下旬ごろまでは、「青い睡蓮」も見られます。
青と言っても、実際はすみれ色に近いのかな。
この青い睡蓮は、モネが咲かせたいと願い続けた花だそうで。
でも彼が住んでいたジヴェルニーでは気候の関係で咲かせることができないらしいんです。
北川村では、この青い睡蓮が見られるので、ぜひ。(^ ^)
地中海の風景が再現された「ボルディゲラの庭」
「水の庭」の隣りのゾーンが「ボルディゲラの庭」になります。
このゾーンの入り口にたどり続くと、ガラッと景色が変わり、まるで地中海に来たかのような、南国リゾートな風景が楽しめます。
「ボルディゲラ」は、モネがルノワールと旅したイタリア西端の海沿いの地域で。
このボルディゲラの旅にちなんだ作品をモネは30点以上作ったようで、その絵画から発想したお庭が「ボルディゲラの庭」なんだそうです。
この「ボルディゲラの庭」は2020年にリニューアルされて、地中海の明るい日差しの印象がしっかり再現されています。
このお庭は、まるで地中海に夏のバカンスで訪れたような気分になります。(^ ^)
まるでヨーロッパの貴族のお庭のような「花の庭」
先に紹介した「水の庭」と「ボルディゲラの庭」とは、駐車場を挟んで反対側にある「花の庭」。
↑秋に撮影したのでお花があまりない写真ですが。(^^;)
こちらは、バラのアーチが見られるロマンティックなお庭です。
なので、バラが咲き誇る5月ごろが見どころ満載なゾーン。
また、ノルマンディの囲い庭といわれる構図のお庭になっていて。
中央に噴水があり、十字路で区切られた四隅の区画に色とりどりのお花が植えられていて、まるでカラーパレット。
まるでヨーロッパの貴族のお庭のようなロマチックな雰囲気です。(´ー`)
四季折々のお花が楽しめるそうなので、季節のお花を見られるのも楽しみの一つ。
今回、私が訪れた時は、秋明菊が綺麗に咲いていました。
幸せを運ぶハチ・ブルービー
モネの庭では、「幸せを運ぶハチ」と呼ばれている青いハチ・ブルービーを見ることができます。
NHKで全国・海外にまで放送されたようです。
詳しくはモネの庭の公式ブログにて↓
ブルービーを見つけた人には、きっといいことが…(´ー`)♡
その他のお楽しみ・おすすめスポット
「花の庭」のエリアには、カフェやギャラリーなどの建物があります。
食を楽しみ、景色を楽しみ、お土産などのショッピングも楽しめます。
カフェ「モネの庭」ではテラス席のお食事やカフェがおすすめ
こちらのカフェは建物の2階にあって、テラス席からは「花の庭」が俯瞰で眺めらる、景色の良いカフェです。
自然豊かな景色を眺めながら、モーニングとランチ、カフェが楽しめます。
モネの作品が見られる「ギャラリー」
カフェの隣りの建物の2階がギャラリーになっています。
ここでは、モネの作品や、ゆかりのあるアーティストの方々の作品が展示されていて、ちょっとした美術館のようで、見応えがありました。
また、北川村のモネの庭造園ヒストリーについての展示もあったり、モネの家のおしゃれな内装デザインなんかも見られます。
お土産は「ショップ」や「手づくりパン工房」「フラワーハウス」で
ギャラリーの下の階がショップになっています。
モネの作品関連のグッズや、北川村や高知のお土産品のほか、女子が好みそうなバラのアロマ関係の商品も色々、ガーデニングインテリアなんかも扱っていました。
カフェの建物の1階には「手づくりパン工房」があって。
北川村のゆずを使ったパンやシフォンケーキ、アイスやソフトなどがあります。
シフォンケーキが大好きな私は、今回はゆずのシフォンケーキを購入。
爽やかなゆずの風味でさっぱりとした、ふわっふわで美味しいシフォンケーキでした。(^ ^)
また、「花の庭」のと隣りには「フラワーハウス」と呼ばれる温室があって。
ここで、モネの庭の植物たちが生産されています。
観葉植物の販売もしています。
お子さんは「遊びの森」で遊べます
「ボルディゲラの庭」ゾーンには、お子さんが遊べる遊具がありました。
お子さんはお花を見るだけだとちょっとつまらなく感じると思うので、ここで思いっきり遊ばせてあげるといいかも。(^ ^)
「遊歩道」での散歩コースと、見晴らしの良い展望スポットも
こちらも「ボルディゲラの庭」ゾーンなんですけど、山側には遊歩道があって、片道30分ほどの散歩コースになっていまます。
私は、ボルディゲラの庭のつもりでこの遊歩道へと進んでしまったため、思いがけず時間を費やしてしまったんですけど(^^;)
山の上の方に登っていくと「風の丘展望台」というスポットがあって、北川村と太平洋が望める絶景ポイントがあります。
お時間と体力がある方は、ぜひこの遊歩道も散歩してみてはいかがでしょうか。(^ ^)
北川村モネの庭までのアクセス
詳しくはこちら↓
入園料・駐車場
無料駐車場、あります。
入園料など、詳しくはこちら↓
ちなみに、なんと、入園券はフランスの本家「モネの庭」と共通で使えます。
つまり、この券を持っていたら、フランスのモネの庭に無料で入れる、ってことなのか。
5年間有効のようですが、私にそんな機会はあるのでしょうか。(笑)
あ、駐車場エリアのおしゃれなトイレも、ぜひご利用ください。(^。^)
合わせて楽しみたい、北川村温泉
モネの庭で歩き疲れたら、ぜひお近くの北川村温泉へ。
モネの庭から車で20分ぐらいです。
北川村温泉は温泉宿なので、県外からお越しの方はこちらで宿泊されるのもおすすめです。
温泉のお湯、すごく良かったです。(^ ^)
北川村温泉のホームページ↓
ということで、北川村モネの庭のご紹介でした。(^ ^)
kayoko@おうちcafe
その他、高知のおすすめスポットはこちら↓